てくてくライマー

ヒルクライマーに憧れるが…

2022 乗鞍ヒルクライム 〜俺は勝ちにこだわるよ〜

「夏草や つわものどもが 夢の跡」松尾芭蕉

自分が自転車を始めてから目標としている、兼松大和さんの2018年乗鞍のブログでタイトルとなっていた俳句。

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changingman.xyz

“夏草はその昔の武士たちの夢の跡のようだ”

まさにそんな1日と言うか、一瞬でした。

 

さて、今年1番のメインレースとして臨んだ

乗鞍ヒルクライム

 

結果から言えば、最高の状態で挑み、

全てを出し尽くせず。

競技人生の中で最も悔しい結果となった…

 

丸1ヶ月前の試走では単独63分半

tekuteclimber.hatenablog.com

 

目標としては最低限60分切り

年代別で確実に優勝するには、58分台に乗せたいと思っていた。

 

実際フィジカルとしては、60分切りは行ける状態であった…と思う。

7/24乗鞍試走時 57kg PWR4.5倍(乗鞍コース実測)

↓↓

7/30 赤城HC試走

畜産試験場〜50分 57kg PWR4.85倍)

8/11 赤城HC合同試走

畜産試験場〜47分半 56.5kg PWR5.1倍)

↓↓

本番2日前 55kg

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↓↓

レース前日〜当日 飯&ウェア込み56kg 

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当日朝は3回トイレタイムも

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【身長182cm 56kg BMI16.9】

1ヶ月断酒と食事制限。

3年前の赤城以来、バリバリに絞りきった!

「そこまで減量する必要が無い」って、言う方が大半だと思うけど、やれる事はやり切って挑みたかった。

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本番前の乗鞍のストラバのリーダーボードを見ても、ミニマムさんやフォーカスおじさん、勝手に意識してたキタガワさんは、本番リザルト的に60分台(グロス、パンク、マスク忘れなど無ければ60分切りの面々)

 

この方達は皆さん自分より格上なので比較するのはおこがましいが、充分戦えるレベルには到達していたはず…

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まあ、“勝負事にたられば”は厳禁だが。笑

「ゲームセットの後、
たら、ればを言い出したら キリがねぇよな。」

【引用:H2 国見比呂】

 

機材に関しては、

富士ヒルから変更はフロントタイヤを

PゼロTT25c→ミシュランパワーTT23cに。

重量6.9kg

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彼女からも勝守を貰い、

神社で絵馬まで描いてくれていた。

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(ちょっと惚気たが)

今回ばかりは色んな意味で結果を残したかった。

いつも応援してくれている、

職場の施設長や利用者さんにも「勝ってきます!」と宣言してきた。

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前日の夕飯もカツを食べて勝つ!!!笑

前日は夜9時に就寝して、3時に起きた…

 

【レース編へ】

1週間前からずっと天気と睨めっこしていたが、

前日15時ごろから当日の朝に雨。

チャンピオンクラスのスタート6時25分から急な土砂降りで、年別10〜20台&女子の6時30分ごろも同様。

ハルヒル、富士ヒル、乗鞍3戦連続雨…

雨対策はすっかり慣れて(笑)、ワセリンとホットオイルを腕とふくらはぎに塗って加工。

とは言え、スタート前も寒い!笑

 

ライバル選手をマークする為、

スタート前にウロウロしていると、富士ヒルハルヒルで毎回近いタイムで走っている

オガワさんとフルヤさんを発見(´-`).。oO(フハハ、丁度良い標的発見)

 

乗鞍は6位入賞なので“最低限”この2人には勝たないと、入賞すら厳しい。

この時点でスタートはこの2人より後に出て、

同時ゴールでもネットタイムで勝つ作戦に。

憧れの兼松さんの弟子で、優勝候補筆頭のキタガワさんを探し回るも見つからない…(あとから知ったが、マスクを忘れ受付出来なかったとか)

 

雨に濡れてるのも嫌なので無駄に待機はしないと決めていたのもあるが、

フルヤさんが「覚悟決めて行くしかない!!」と言って6時半丁度に出走!

オガワさんもほぼ同時スタート!!

俺は作戦通り、その5秒後くらいしてから出る。

 

ちなみに乗鞍のコースは全長20kmあり、大きく分けて3パートに分かれている。

7km地点の三本滝

14km地点の位ヶ原

20kmでゴール

目標タイムとしては三本滝17分、位ヶ原41分。

このくらいで走れていると58〜59分が出る。

 

スタート直後は各カテゴリーの選手がごちゃ混ぜなので、なるべく早く先頭が見える範囲に上がる。

三本滝までは勾配が緩いので、集団で走った方が省エネ出来る。今回は実力の分かっている2人がいるので、小集団で回してペースを作ってもいいな〜と勝手に想定。

前の方では数名が引いておりペースはキツくないが、中切れを埋める作業がチョイチョイ。

 

4kmくらいで明らかに引きが強い選手が2名。

オガワさん、フルヤさんは勿論近くにいるのは想定内。

この時点で「先頭はこの辺で決まりだな」と悟り、その通りになった…

結局、三本滝を17分ちょいで通過。

この時点で足に余裕があり、先頭から2人目に上がる。

(またタラレバ言うが)逆に今振り返っても

“普通に”走り切れれば60分切りペースで、雨の影響でシューズが重いの以外、足も心臓も“余裕さ”を感じていた。

暫く自分を含め6〜7名の小集団で、

途中でフルヤさんがジャブを入れる時も(フルヤさんは上げ下げのあるパンチャー的な走りが得意ってレース後に聞いた)あったが、大きくペースが上がることもなく距離を消化。

 

場所によって勾配の上がる10〜11km、この先が軽量級の俺の本番!!

と意気込んでいた所、その瞬間は急に来た…

【あれ?なぜか進まない!?】

11kmを過ぎて、力が伝わらない感覚…

滑ると言うか、後ろに引っ張られる独特な感じ。

呼吸は余裕あるのに、何で???

頭の中が真っ白…

もしかして、パンクか!?

その一瞬、躊躇している間に先頭の数名から千切れる…

頭では意地でも食らい付かないとダメ。

勝負は位ヶ原より先。

そんな事は全て分かってる。

 

今までの練習、キツイ減量、みんなの応援…

走馬灯のように集団を見送りながらサワーーっと頭の中を流れて行く。

乗鞍が終わった。今日の為に全てを賭けて来た。

“終わる時は、こんな一瞬なのか…”

 

とりあえず、レース中にも関わらずバイクから降りて後輪のパンクを確認する。

「あれ?パンクしてない??」

前輪も同様に確認するが、

前後パンクしていない…⁉︎⁉︎

「そうか。パンクしていたのは俺の足とココロだったのか」

条件は皆んな同じとは言え、標高2000mを超えてる中で雨に打たれ…

自分が気付かない内に足には相当な負担が掛かっていた様だ。

パンクを疑い、レース中なのに立ち止まってしまった“気持ちの弱さ”。

 

間違いなく過去最高の仕上がり&モチベーションであった。

それは違いない。

故に敗因は自分の実力不足、気持ちの弱さ。

レースとしては終わってしまったけどパンクはしていないし、遅くてもいいからゴールはしようと登り始める。

ちらっとサイコンを見ると「180w」

 FTP280wの自分からしたらサイクリング以下。

気持ちが切れると酷いもんだな〜とか思いながら、位ヶ原を44分で通過。

すると、後ろから群馬で見慣れたピンクのジャージが追いかけてくる!!!

千切れてから3km程。

久々に“俺以外”の人間に出会う。

その“見慣れたジャージ”を着た少年

『俺が知らない人だな〜』と思いながら見送ろうとすると

先頭からどのくらい離れていますか」と元気一杯俺に話しかけて来るじゃないか!笑笑

風貌とゼッケンナンバー的に高校生くらいか?

「あ〜結構離れてるよ」と大人気なく厳しい現実を突きつける。笑

 

自分のレースは終わってしまったけど、

目の前で頑張ってるこの子のリザルトを少しでも上に上げたいと思う気持ちも出てきて

「行けるところまで一緒に頑張ろう!!」と久々にポジティブな声掛けをする。

 

このブログを書いている今(2日経っても)乗るのが怖かったが、この出会いを思い出すだけで元気が出るし、自転車に乗ろうと思えた。まあ、ケアマネの勉強しないとだけど。笑

 

その後、もう1人追いついて来て3人で一緒に走る!

足も気持ちも復活していたので、6割くらいは公約通り俺が前にいたかな??

一度折れた気持ちを引き戻してくれた、ピンクの少年(ミズムラ君)に走りながら感謝👍

多分その場で言葉にも出していた…気がする。

ラスト3km、全く頑張らずチンタラ走っていたらと思うとゾッとするな…

 

我々ホビーレーサーは非日常であるレースを通じて、いつもと違い少しでも“頑張った証”と経験を得る事が大切なのだ!!

今日を、今を頑張れない人間が、明日を頑張れるはずもない。それは自転車だけでなく、仕事もプライベートも繋がっていると思う。

 

ラストは持てる力を振り絞り、無事ゴール。

手元では目標より2分落ちの62分半

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【結果】男子B10位 62分37秒

ゴール後はめちゃくちゃ悔しくて不甲斐無くて、泣きたいけど泣けない不思議な現象に陥った…

山頂で改めて、最後一緒に走ってくれたミズムラ君にも御礼を伝える。

そして、先着したライバルやチャンピオンクラスの選手達の結果を知る。

 

勝負事は相手がいる事だから、

その時々で左右もされる。

今回は結局自分に負けた

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このブログを書いていて「一度似たような事があったな〜」と思ったら、初めて出た富士ヒルだ。

tekuteclimber.hatenablog.com

ゴールドリングは簡単に取れると思い、大惨敗を喫した。

あの時の悔しさを忘れないように、今でもシルバーリンを付けている。

 

今回の乗鞍に関しても一生忘れないだろう。

そして、俺は乗鞍に来年も挑む!!

次は勝つ。優勝をする。

何より今年の自分を超えるために。

 

Twitter上でmatさんからも金言を頂いた。

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『続けることがスタートラインに立つ資格』

 

ミニマムさんからも同様に…

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自分より格上&年上の選手がこう言ってるんだ!

続けた先に何かが見えるはず。

 

帰りの車で、

モロハの『勝ち負けじゃないと思えると思う所まで俺は勝ちにこだわるよ』を聞いて、気持ちも戻る!(←結構単純。笑)

勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ - YouTube

俺も乗鞍は勝ちにこだわるよ!!

 

次戦の赤城以降はエキスパートで出場するが、

来年の乗鞍だけは年別に留年かな!!

 

 

長文になりましたが、最後まで読んで頂き有難うございました!!

では、また道の上で〜